ハンギングバーを使ったウォーミングアップ

続いてハンギングバーを使ってウォーミングアップをする方法を書いていく。

ivouはそもそもトレーニングツールではなく、ウォーミングアップツールなので、こちらが正しい使い方になるかな?




アップの重要性
僕は結構しっかりアップしないと力を出せないので、岩場ではいつも何本かルートや課題を登ってアップをしていた。

ただ、そうすると時間もかかるし、指皮も結構消費してしまう。これでは効率が悪い。

さらにルートではアップで登るルートの保持レベルが低く、適当に腕を張らせるくらいしかアップができない場合が多いように思う。

ただ、どう考えても前腕のアップはフリークライミングでは一番大切。ここを疎かにして良いパフォーマンスを期待はできない。

ジムでのクライミングを思い返して欲しいのだけど、一番いいトライができたタイミングは登り始めてからどのらいの時間が経過し、どの部位をどのくらい使用した後だろうか?


アップの方法
トレーニング編と同様に、ウォーミングアップでも主に「ぶら下る」と「引っ掛けて引っ張る」の2通りの使い方ができる。

岩場では案外ぶら下げる場所がないので、僕は大概「引っ掛けて引っ張る」方でアップをしている。

基本その日の調子を探りながらやっていくので、決まったメニューは無いのだけど、これは毎回やるというものが以下の通り

10秒ほど両手で負荷をかける
15mm 3本指セミアーケ
12mm 3本指セミアーケ
12mm 3本指オープン
9mm 4本指セミアーケ
9mm 4本指フルクリンプ
18mm 2本指オープン
18mm 1本指オープン

時間が長めなので、パンプしない程度に力をかける。これらは前腕を温める、刺激を入れる程度なので、そこまで全力ではやらない。

ぶら下がってやる場合には少し負荷がかかりすぎる傾向にあるので、時間は短めにすることが多い。その分懸垂などの動きを入れる。

ちなみにivouの18mmを一本指で引くと関節が痛いので、僕は一部エッジを紙やすりで削って丸くしている。



5秒ほど片手で負荷をかける
12mm 3本指セミアーケ
12mm 3本指オープン
9mm 4本指セミアーケ
9mm 4本指フルクリンプ

これは本気でやる。実際の課題でかかる負荷を想定したワークになる。

ここでは腰や肩にも負荷がかかるので、事前にラジオ体操などのアップを済ませておく必要がある。

最後に握り込み⇔オープンをやって、前腕を少しだけパンプさせる。

3本指セミアーケ

3本指オープン

4本指セミアーケ(ちょっと開きすぎか)

4本指フルクリンプ

ぶら下げられる場所があるに越したことはない


とりあえずこんなところ。


最初にも書いたとおり、特にちゃんとしたメニューはまだ決まっていないので、その日トライする課題に合わせてホールディングや持つ方向(アンダー引きにしたりとか)を変えている。

本来はジムでのトレーニングにもハンギングバーを取り入れて、岩ー室内のアップメニューを完全に統一するのが理想なんだけど、まだまだそこには至っていない。

あと、岩に行くと早く登りたくて仕方がないので、結構アップが疎かになることも多い。反省反省・・・





最後に
これまで僕は基本的に「細かいことは考えず登る」というスタンスでクライミングをやってきた。

岩場にもジムにも行きたい放題行けていたし、それで成果も出ていた。

ただ、ここ数年岩場とジムに行ける回数は激減し、少ないトレーニングと岩のチャンスの中でなんとか目的のルートを登る必要性がでてきた。

バーデンに関しても、ツアーの期間は一週間。そのうち全力でトライできるのは3日間。さらに一日のうち最大出力を出せるのはせいぜい5回くらい。そう考えるとたった15回のトライのために普段からトレーニングし、備えなくてはならない。

また、天気がいいとも限らない。本当にチャンスは数回程度なのかもしれない。



しかし、回数こそ違えど、週末クライマーが1シーズンのうちに岩に行けるのは15日も無い。その中でベストなトライをできるのは何回だろうか?

ルートやマルチピッチであれば「その1トライ」の回数はさらに少ないだろう。

「その1トライ」に思いを馳せながら、その時のために日々最大限の努力をしたい。