休刊と梅雨

少し前のことだけど、インタビュー記事を連載していたRock Climbing誌を発行しているRockyから該当雑誌の休刊が発表された。

僕は雑誌創刊時に声をかけていただき、いくつか記事を執筆したけどいまいち焦点が定まらず、インタビュー企画を立ち上げたことでようやく連載っぽくなってきたところだった。

ただ、僕自身が記事ではなく博士論文を書かなくてはならないのと、前回の故杉野さんが次のインタビュイーを指定しなかったのもあって、そろそろ潮時かなと思っていたところだった。

編集長の竹内さんお疲れさまでした。また落ち着いたら再開したいですね。




全5回で後輩から大先輩まで色々なクライマーにインタビューすることになったけど、毎回新しい知見やキャラクター、価値観に触れることができてとても面白かった。正直自分自身のことについて書くよりも面白かったかもしれない。

この企画は元々、遠征帰りの車の中で京都軍団のメンバーと「これまで登った岩Best3を発表しよう」と盛り上がったのが発端だった。

苦労した、嬉しかった、重要な教訓を得た、最高のパフォーマンスを発揮できた、自分の理想に最も近づけた。切り口は様々だけど、それぞれのルート、課題とそれにまつわるエピソードには必ず深みがあり、情熱と示唆に富み、なにより昔話なのに瑞々しさにあふれていた。

それぞれのクライマーが何を大切にしているのかをよく反映していると思ったし、もっと色々な人の価値観に触れたいと思った。そこで企画として立ち上げたという運びだ。

正直文面でそれをうまく伝えられたかは怪しいけど、僕自身はインタビューをしながら6人のインタビュイーのBest3とそれにまつわる物語にどっぷりと浸からせて頂いた。いい時間だったな。

年内の復帰は難しいけど、来年以降落ち着いたら何かしらの媒体で似たような記事を書きたい。




あっという間に2020年も半分終わってしまった。

7月も半ばに差し掛かったところで、僕は学生最後の学会発表を終え、来年以降の進路が決まり、3本目の主著論文が出版された

京大ウォールは依然、閉鎖されたままになっている。

梅雨の雨はなかなか降り止まないが、それも後少しと信じてがんばろう。