池郷川下部ゴルジュ

 暑い。すごく暑い。


毎年そこまで気温は変わらない筈なんだけど、毎年自己最高の暑さを更新してくるのはなぜなのか。


日が落ちてからも30度をなかなか下回らないので公園トレーニングも最近は中断している。先日30度超えで坂道走っていたら頭がクラクラしてきた。







夏といえば沢登り。


今年は忙しいから行けないかと思っていたけど、思いの外余裕があり念願の泳ぎの沢に行くことができた。


紀伊半島の泳ぎの沢といえばここ、池郷川


けんじりさん曰く、沢登りグレードで初めて6級が付けられた沢らしく、ボルダーで言うと御岳の「蟹」みたいな感じらしい。


ここしばらく滝ばかり登っていたので、泳ぐのはなんと不動川以来3年ぶり!本当にまだ泳げるのか不安になる・・・


久しぶりの沢だし、今回は人数も多いので、まったり無理せず楽しむつもりでスタート。






8/19

朝3:00にけんじり邸に、はやっしーさん、スミ、僕の3人が集合。


はやっしーさんは指を痛めてからクライミングの頻度を減らして、沢に通い詰めているらしい。ブログのタイトルも最近は「沢屋入門編」となっている。


流石に早朝なので道が空いていて、3時間ちょっとで下北山村に到着。


ぱぱっとウエットスーツに着替えて、装備を整えていざ入渓。下北山の街から本当にすぐそこ、街チカのゴルジュだ。


しばらく河原歩きと穏やかな淵の泳ぎが続いたところで一気に谷が狭まり、ゴルジュ開始。


大きな淵を泳いでアプローチするF1は、「本当にこんなところ入っていって大丈夫なのか??」と思わずにはいられない圧倒的威圧感をもっている。これこれ!この感じ!




今回は水泳用のゴーグルを持ってきたので、水中の景色に見とれつつバシャバシャ淵を泳いで、いよいよゴルジュ登攀開始。


F1は右岸側から簡単に超え、そのままF2手前右岸のテラスへ。




覗き込むと、細長い廊下とその奥の細い隙間から吹き出すF2が見える。一見不可能系だけど、F2はフリーで登れるという前情報があったのでトライすることに。


じゃんけんの結果僕が勝ったのでリードを任せてもらった。シーズン一発目からハードな登攀!


けんじりさんと淵に飛び込んで、バシャバシャ泳ぎ、なんとかF2の落ち口に取り付いていよいよ登攀開始。




右岸側は水圧が強すぎて無理そうなので、ホールドが多そうな左岸側を進むことに。


いきなりふっ飛ばされそうな水圧の中、猛烈なパワークライミングとなった。時々右岸側にもステミングしつつ3次元的な動きでなんとか突破。ホールドは割と乏しいけど、岩はしっかりしているので、思い切った動きができた。


3人共ノーフォールで水線を突破しF2はめでたくクリア。けんじりさんでさえ「ヤバイなぁ」と言うほど凄まじい水圧だった。


かろうじてヘルメットが見えている





お次はF3。これまた見事な廊下の先に20mの不動滝。





ここは無難に左岸側の乾いた壁をフリーで超えることに。けんじりさんがリードし、3人共手堅くフォローした。


簡単だけどフェルト靴だと猛烈に滑る。後出の滝もそうだけど、この沢はクライミングシューズが合ったほうがいい。


次は不動滝の直登もトライしてみたいな。







少し歩くと巨大な堰堤が出てきて、こちらも左岸側のステップを伝って超えた。ステップの段が大きいのと、削られてすこし外傾しているのがいやらしかった。


ここからしばらく河原歩きが続き、暑くなってきたところでようやく次の3m滝に到着。この滝は名前があるのだろうか。


ここはスミがリード。ロープを引っ張ってバシャバシャ泳いでいき、影に隠れて見えない3m滝の水線に突っ込んでいった。


こちらからは全く様子が見えないけど、少しずつロープが出てゆき、程なくして滝の上にスミが現れた。


けんじりさん、はやっしーさん、僕とフォローするも、3人共そこそこ苦戦した。これまた猛烈な水圧を受けながらの、立ち込み、そこからのツルツル溝。小さいながらなかなか充実した内容だった。


はやっしーさんはツルツル溝でスリップし、ローション階段のように溝を滑り落ち、振出しの淵まで流されていった。

流されてゆくハヤッシーさん




お次は8mエコ滝。


はやっしーさんとけんじりさんが淵を泳いでいき、はっやしーさんがリード。先ず取り付くのも結構難しそう・・・


右岸側を進むも、次第にラインが左に逸れてゆき、ハングに頭を押さえられてあえなくフォール。ピトンがしっかり効いていたみたいで問題なく止まった。


選手交代してお次はけんじりさん。今度は水線沿いにラインを取るも、意外と足が悪いらしく苦戦。何度も行きつ戻りつしていたけど、最終的に水線ど真ん中を超えていった。


僕もフォローで登ったけど、普通に難しかった。これをフェルト靴でリードとは流石すぎる。







また少し歩いて次が下部ゴルジュ最後の滝、15mねじれ滝。


ここはまた僕がリードさせてもらうことに。


スミと僕で淵を泳いで行くと、いい塩梅に落ち口にテラスがあったのでそこで一休み。水線の左の傾斜が緩くて直登できそうな感じ。


テラスから淵に飛び込んで流れを横切り、再度取り付いて登攀開始。


最初は傾斜が緩くホールドも豊富なので簡単だけど、中間部になると一気にホールドが乏しくなって難しくなった。


これまた異様に滑るし、フットホールドが小さくてフェルト靴だと辛い。なんとか水流の中にフットホールドを見つけて突破した。


これもクライミングシューズの方がよかったな。




3人共問題なく突破し、少し歩くと取入口?に着いて下部ゴルジュは終了。


まだ少し時間があったのでずんずん沢を詰めるも、このあとは特に滝はなく、コンコン滝手前で時間切れとなった。


登った滝は少なかったけど、不動滝を除きどれも水線沿いを登れたし、いっぱい泳いだし、全員へろへろになり充実した遡行だった。


急登をへーへー言いながら30分程登ると林道に出て、てくてく歩いて駐車場まで戻った。


7時頃に駐車場に戻り、京都に戻ったのは11時頃。とても長い一日だった。