栩栩然として胡蝶なり

ようやく宿題になっていた栩栩然 五段を登ることができた。

前回敗退してからだいぶ間が空いてしまったが、限られた時間とチャンスを最大限に活かすことができたと思う。

久しぶりに嬉しい成果となった。


9/27
中間発表が3日後に迫っているため元々行くつもりはなかったものの、やはり☆さんとタカッシーさんが行くとなると黙っていはいられない。・・・と言うか居ても立っても居られないので、参加させていただくことに。

天気予報は割とよかったので、6:00集合で涼しい時間帯を狙いに行く。




ところが駐車場について見ると一面びしょびしょ。オーナーに聞くと朝方にかなり降ったらしい。

それどころか普通に雲行きが怪しい。晴れ予報とは一体・・・

メインエリアに行ってアップをしていると早速パラパラ降ってきた。一応登れるけど、ゴワトリの最後のキーホールドはしっとりしている。

それでも「午後には晴れる」という予報に更新されていたので、午前中はムーブ練習に徹することにした。



前回からかなり時間が経ってしまったため、結構ムーブを忘れていたけど、いくつか修正も加えていい感じに仕上がってきた。

試しに繋げてみると、一手目もなんと足が残って止まった。夏の間の体幹トレーニングと走り込みの成果か?

アップ不足で動きがぎこちないので、もう少し動いてみてから、午後の乾燥を待つことに。

タカッシーさんは雨が途切れて、上部が乾いた一瞬のチャンスを見逃さず、宿題だったゴワトリを完登した。





ただ、ここからが長かった。予報に反して天気が回復する様子は無く、ひたすら降ったり止んだりを繰り返す天気が続く。

乾いてきてかと思い、準備を始めると一気に降ってビショビショになる。というのをひたすら繰り返し、どんどん時間ばかりが過ぎてゆく。

体を冷やすわけにはいかないので、接続部分のムーブの練習をして体を動かす。早く登りたい。

晴れ予報はどんどん後ろにずれ込み、雨雲レーダーには次々新しい雨雲が出現している。なかなか厳しい状況だ。

☆さんは雨が止んだタイミングに無題 三段の核心を止め、ビショビショの上部を気合で突破していった。





15時を過ぎても状況は動かず、万事休すかと思われた。

普通だったら諦めるところだけど、何とか捻出した休みだし、次いつ来られるかも分からない。なんとしてでもここで成果を出さねばならない。

16時ごろようやく雨が上がり、天気が回復してきたので、ブロワーを持ち出して頑張って乾かした。

湿ったホールドを握ってゴワトリを登り、上からもキーホールドを乾かした。これで何とかトライはできるはずだ。

残された時間は一時間ちょっと。持久力勝負の課題なだけに、チャンスは2トライくらいだろうか。





先週のViva la Vida同様、かなり気合を入れてトライ。

一度足が滑って一手目で落ちたけど、焦らず一度しっかりクリーニングして、もう一回。

今度は足も残って完璧に取り先を捉えた。

あとは練習通り。結構ミスを誘発するような内容なのだけど、最初から最後までノーミスで登り切ることができた。






トライだけ見ればあっさり登れた部類なのだけど、天気が天気だけにとても精神的に辛い戦いだった。

とにかく数少ないチャンスを掴み取ることができてよかったと思う。Burden of Dreamsに向けて大きな一歩になった気がする。

なによりその場にいた多くの方に祝福していただけてとても嬉しかった。




僕は満足したのであとは撮影だけして終了。

☆さんとタッキーは龍神の雨 三段を、Yさんは無題 三段を登って大収穫祭となった。






「今年の秋はあまり岩には行けなそうだけど、少ないチャンスをうまく使っていきたい。」と先週書いたばかりなのだけど、今回はその言葉通り、少ないチャンスをうまく使うことができた。

ご時世もご時世だし、なかなか「栩栩然として」クライミングを続けていくことは難しい。ただ、様々な制約の中でも今自分ができるベストを尽くすことができたなら、それは十分「栩栩然として」いるのかもしれない。


そして扇風機とブロワーの偉大さを痛感した