近況

 ご無沙汰しております。


2月の中頃に博士論文の修正版を提出し、3月の頭に京都から岐阜に引っ越してきました。


とにかく怒涛だった1月2月と打って変わって、3月は新天地で穏やかな日々を送っています。


4月からいよいよ働き始めるので、人生最後の長期休暇とでも言いましょうか。


本来こういったタイミングには海外遠征をするものだし、実際フィンランドに行く予定だったのだけど、御存知の通りコロナで頓挫。


結局国内でせっせと岩を登る日々です。


大学生活の総括と今後につていはまた改めて書きますが、とにかくネタが溜まりすぎたので取り急ぎ更新。






以下ここ最近の成果と、それについての簡潔なコメント




鳳来

ヴァニタス V15 (体感クレード: V14)

トライ日数1日


下に飛び出ている石を使うと核心をほぼスキップできてしまうため、自主的に石を限定してトライ。


最初は右手の3本指が全く持てなかったものの、慣れてきたタイミングで核心がうまく繋がった。


昨年の夏の公園トレーニングの効果を実感した。


上部でも一回落とされたものの、次のトライでギリギリ完登。


振り絞り過ぎて帰りに強烈な目眩と発汗に襲われた。


短時間で登れたのも嬉しいが、あそこで下の石を使わないという選択が出来たことが今となっては嬉しい。



カリカチュア V13 (V14)

トライ日数2日


難しいという評判をよく耳にしていたが、かなり厳しい課題だった。


内容は三段+三段という感じだが、それぞれのパートに一箇所ずつ鋭いホールドがあり、指皮的にも厳しい内容。更に長いため、ドツボにハマりやすい内容に感じた。


完登したトライもかなりギリギリだった。ドツボにはまらなくて一安心。


個人的には隣のヴァニタスよりも難しかった。


あと最後のマントルが怖い。



イデア V14/15 (V14)

トライ日数2日


鳳来 イデア



あまり有名ではないし、誰も場所を知らない課題。イガグリさんに教えていただきなんとか見つけることが出来た。


カリカチュアを登った日にトライを開始。鳳来には珍しくパワーエンデュランス系で、割と得意だったためすぐに最後の一手まで迫るも、結局そこで6回落とされて撃沈。


トライ2日目にも2回最後で落とされたが、最終的にムーブを修正して登ることが出来た。


合理的なライン、比較的トライしやすいスケールと下地、ボルダリングの醍醐味を凝縮したような内容。後ろに控える崖も丁度いいスパイスになっていてとてもいい課題だった。


しかし、この課題についての小山田さんのブログをみて「やってみたいな」と思ったのがなんと2010年。そこから実際にトライするまでに10年も間が空いてしまった。もっとチャキチャキ動いてクライミングをしていかなきゃな。



イニュエンドー V14 (V13)

トライ日数2日


鳳来 いニュエンドー



イデアを登った日にトライ開始。


すぐにムーブを解決し繋げて最後まで至るも、繋げると最後の一本指からのランジ(写真)部分が難しく苦戦。


クライミング二日目のヨレもあり、指を引き伸ばすのが怖かったのでこれまた戦略的撤退。岩が近いと、こういう時深追いせずに済むのもよい。


結局トライ二日目も一本指の不安が拭いきれなかったので、ムーブを変更して完登した。それなら初日に登れたのではという疑問は抱いてはいけない。


同じスタートから左上するイデアとは全く違ったタイプの課題で、こちらも面白かった。



白川

サンクタム V15/16 (V14)

トライ日数2日


サンクタム



素晴らしいライン。こういったラインを初登できるのは本当に羨ましい。


ムーブはすぐに見つかり、繋げ3トライ目で最後まで繋がるも、右手がスっぽ抜けてマット外に背中落ち。後頭部を強打した。


悔しさもさることながら、危ない落ち方をしてしまったショックで萎縮してしまったので、1便だけ出してそそくさと退散。


2日目の繋げ1回目で登れた。


タンコブなんて作ったの何年ぶりだろうか。首尾よく登れたのは嬉しいけど、反省点の多い課題だった。




ブレッチャ 三段 (初登)

トライ日数1日


サンクタム完登後にトライし登った課題。たろうさんの設定したライン。


細かいカチを中継して取る1手目が難しい、というかそれがほぼ全ての課題。


中継も取り先も、微妙にブラインドなのがいやらしい。





豊田

一行三昧 四段~五段のどこか (初登)

トライ日数2日





天ヶ峰の御堂下部に新しく引いたライン。すぐ隣のenclaveを登ったときに目をつけていたラインで、東海に来たら真っ先にやろうと思っていた課題だった。


100°くらいの前傾壁に飛び出たアウターホールドを繋いで登る攻撃的なライン。


一手一手が遠く、ほとんど片手で耐えなければならない部分もある。更に最後はリップのガバへの垂直跳び。


見た目だけでなく、内容もかなりユニークで特別感のある課題だった。


グレードは隣のenclaveよりはかなり難しかったのでIとしたけど、五段あるかと言われると五段はない気がする。


とてもいい課題なので是非沢山のクライマーにトライして欲しい。





徳島

白い鷹 五段 (V14/15)

トライ日数3日



2年前に指男さんとトライしてムーブを作ってあった課題。その後指男さんが初登。


スタンドの四段に合流するまでの強度が高く、特に1手目がかなり厳しい。


また、繋げてきた時のスタンド部分も難しい。結局3回スタンド部分で落とされたが、全て違う場所だった。つまりどのムーブで落ちてもおかしくない内容になっている。


2年間間が空いてしまったので、2日目はムーブの再確認と練習に徹し、3日目にもそこそこトライしてなんとか登ることが出来た。


最近登れた課題の中では一番難しかったし、一番嬉しかった。


こういう課題が登れるようになった辺りに、ここ数年間の成長を感じる。



Lifetime 五段 (V13)

トライ日数2日


これまた1年前に指男さんとトライしてムーブを作ってあった課題。その後指男さんが初登。


とにかくちゃんと通わないと初登することは出来ないと思い知らされる。


信じられないくらい高いルーフで、まずスタートホールドもジャンプしないと届かない。


更に上部ではランジに近いダイナミックムーブが連続する。


見た目内容ともに国内トップレベルの課題であることには間違いないけど、なんせ取っつきづらい。今後トライする人は現れるのだろうか・・・・


白い鷹を登った日にその勢いのまま完登。素晴らしい課題を2本も登ることが出来て、とても印象深い一日となった。


こういった課題を初登するには、まずヤバいラインに着手する決断力、ムーブを完成させる実力、そして通い続ける根気が必要だ。


当たり前のことではあるけど、それがなかなか難しい。









以上ここ最近登った課題でした。


成果が出るのは嬉しいことだし、どれもいい課題だったので満足はしている。ただ、やはりフィンランドに行きたかった。


また、イデア、イニュエンドー、サンクタムなどでは相変わらず惜しいところで次に持ち越しという決定力不足を感じる結果となってしまった。今は来週また行こうで済むけど、フィンランドだと次がいつになるかはわからない。


そろそろ生活基盤もしっかりしてきたし、自分の体のことも含めて準備をしっかりできるようにしてきたいところだ。


また、宿題はかなり片付いてきたし、せっかく岩に行きやすい環境になったので、そろそろ長期的に取り組むプロジェクトを見つけたい。