下呂のパラダイムが登れた。

昨年散々トライした下呂のパライダイム 五段が思わぬタイミングで登れた。


色々思うことがあったので更新。


下呂 パラダイム




4/2

採用時研修終わりで下呂ナイト。研修は基本座って話を聞いているだけなので、あんまり疲れなくてナイトには行きやすいな。


白川辺りから雨がパラパラし始めて、帰るか否か迷ったけど、この程度の雨ならムーブ練習くらいはできるだろうということでそのまま直進。天気予報的にも一応本降りにはならないっぽい。


エリア手前の気温計は16℃になっていた。天気が悪いからか気温が下がらない。風もないのでコンディションは最悪。


ただ岩はちゃんと乾いていたし、森の中だから一応トライはできる。マットには雨粒がたまに当たるけど、気にしないことにした。


昨年学んだのはとにかく舐めてかからないことだ。今日絶対に登るという意気込みは大切だけど、だからといって今日がムーブ練習になってしまうことに意味がないわけではない。ただ触って少しでもムーブになれることにも価値はあるはず。





いつもどおり上部から。シューズを変えた関係でブラインド部分の足置きの感覚がつかめなかったけど、何回かやったら慣れた。


それ以外はそこそこ良好。心配だった外傾ホールド達も、バチ効きではないけど持てる。


あとソリューションコンプのヒールがめちゃくちゃ効く。これはシューズ変えて正解だったな。ミウラーよりもつま先が置きやすいし、全体的に感覚は良好。


4.5.6手目が繋がったからダメ元で下から繋げて見ることに。






扇風機を2つセットして、ライトも可能な限り総動員してトライ。


フリクションの感覚は良くないけど、暖かいから身体がよく動く感じがした。3手目4手目を持った段階で、ほとんど疲れていないことに気づいた。


さらに5手目。耐えている右手にまだまだ余裕がある。握り込んでいる感覚もある。


「やばいな、これは完登トライだ」と思って、とにかく慎重に右足をセット。信じられないくらい安定して最後のガバに発射して、少し行き過ぎるくらいのところで安定して止まった。


思わず「うわ、まじか」と口に出してしまった。





マントルも安定して返して、最後の真っ暗なスラブも登ってトップアウト。嬉しいと言うよりは信じられないという感じだった。まさか登れてしまうとは。


むしろかなり余裕のある完登に「去年の敗退は一体何だったんだ??」という感じだった。Decidedのときもそんな感じだったな。




後ろは真っ暗で降りられなかったので、スラブを何とかクライムダウンして、マットにジャンプ。何だか普通に落とされたような気分だった。


何故登れたのか?何故登れなかったのか?コンディションとか準備も含めて全く納得はいかないけど、まぁ何はともあれ登れた。バーデンに活かしたいのはやまやまだけど、そんなに活かせることはないかもしれない。


強いて言うならシューズが良かったのかもしれない。次のツアーは靴を多めに持っていこうかな。





教訓

最終的になんだか釈然としない感じになってしまったけど、苦労したからこそこの課題からは多くのことを学んだ。


指皮を作っておく

指皮の減りがホールド感の悪化や痛み、ぬめりに繋がっていた。その週若しくは前の週には指皮を固くしておく必要がありそう。特に保持トレで部分的に固くなった指皮は当日大規模に剥がれる可能性があるので、要注意。



ライトは絶対にたくさんあったほうがいい

パラダイムは足の起きづらさがムーブの接続の悪さに繋がっていた。基本的に日没後のトライは距離感が狂ってダメなパターンが多いけど、それでもチャンスを増やすという意味では明るく長寿命のライトが複数必要だろう。僕はルーメナー+というライトを最近買い足した。


ルーメナー+



時間帯

気温のことを考えて日没付近を狙うことも多いが、その課題のある場所が、いつどのくらいの気温、湿度で、どの程度風が吹くのか、更に日光の入り方はどうかというのを事前に把握しておく必要がありそう。例えば前回のフィンランドツアーは岩場に昼頃行って夕方トライが一般的だったけど、それだと遅い可能性もある。



身体を冷やさない

前腕の保温に関しては割とできるようになってきたけど、今回のように大きな筋肉を使う課題では、体全体がしっかりと温まっている必要がある。間違っても薄ら寒いような環境でトライすべきではない。今シーズンは電熱ベストという怪しいものを使ってみたけど、これは大当たりだった。そんなに高いものではないのでオススメ。アマゾンで調べると怪しいものが大量に出てきた困るけど、僕はなんとなくこれを買った。


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指の痺れをどうするのか

ぬめり対策に指皮を冷やすのは大切だけど、レスト時間が長いと本気トライの時に指が悴んで感覚が悪くなることが多い。これはレスト時にたまにホールドに触ってすこし荷重することである程度軽減できることがわかった。冷やしながらも悴ませないことが大切だ。



一度感触が悪くなっても諦めない。

ヨレで登れなくなっていない限り、感触が悪くなったからといってそこで弱気になり、守りに入ってはいけない。昨年のトライの時は日没のタイミングで湿度が上がり、感触が悪くなることが多かった。これはアルコールや扇風機などである程度軽減できる。最終的にはコンディションの悪い時に登れたのだから、一度感触が悪くなったタイミングで弱気になってしまったのは完全に時間の無駄だった。



ワントライ目からチャンスはある。無駄にしない心構えが必要。

一トライ目はそこまで気合を入れず、思いの外行けて驚くというパターンを今まで何回も繰り返している。限られた時間、コンディション、体力、集中力、これらを無駄にしていい理由はない。



靴に慣れておく必要あり。

昨年の敗退時に上手く足に乗れなかったのはミウラーが久しぶりすぎたというのもある。またヒールが重要になる場合には靴下が必要になることも忘れてはいけない。靴は最重要ギア。こまめに脱ぐ、使用して使いこなす、きれいに保つ、を心がけたい。




これらは基本的に分かってはいたし、以前実践していたものもあるけど、少なくともパラダイムに敗退していた期間は出来ていなかった。


逆に言うとこれらを見直したからこそ、今シーズンはかなり成果が出たし、最終的に昨年よりもコンディションが悪くてもパライダイムが登れた。


次回のフィンランド遠征でもこれらはちゃんと実践したい。前回のようにコンディションが悪くても決して諦めてはいけない。