年の瀬に一休み
こんにちは。
10月のフィンランド遠征終了後、すぐにネパール調査があり、日常業務の色々を含めると2ヶ月近く非常に忙しい時間を過ごした。
ようやく日常に戻ったところで、今度は流行病に侵され撃沈。毎年恒例となっていた鹿児島遠征は見送ることになってしまった。
毎年楽しみにしているだけに残念でならないが、こればかりは仕方ない。ゆっくり休めたということで前向きに考えたい。
ネパール調査
卒論生の頃から、ネパールヒマラヤをフィールドに研究をしている。研究テーマは「ヒマラヤの詳細な隆起・削剥史の解明」であり、砕けた言い方をすれば「ヒマラヤのような巨大な山脈がいつどうやってできたのか?」を調べている。
2015年から2019年まで毎年調査に行っていたものの、コロナや博士論文執筆などの理由により、ここ最近はご無沙汰していた。
就職に際してヒマラヤ研究の断念も覚悟したが、幸運なことに理解ある上司と同僚に恵まれ、2022年11月に実に3年ぶりにフィールドワークに繰り出すことができた。
今回は同じ調査地域で研究をしている後輩を連れて、東ネパールを訪れた。
これまで歩いたことのある地域で、以前にも見たことのある岩を調査したのだが、多くの重要な発見があった。
こういった、おそらく世界で自分たちしか気付いていないであろうものを発見する瞬間がたまにある。研究をやっていて一番興奮する瞬間だ。
同時に数年前の自分の観察眼の無さに「ちゃんと観察しろ、この節穴が」と言ってやりたくもなる。
普段研究所で仕事をしていると、研究とは試料や顕微鏡、小難しい名前の装置と、あと自席のPCを向き合うことのように思えてくることがある。
しかし、僕が知りたいのは自然であり、やはり、自然の中に身を置かないとわからないことがたくさんある。
3年ぶりにネパールの地を歩き回って、野外に繰り出し、岩を備に観察することの大切さと楽しさを再確認することができた。
クライミングと全く関係のないことを書き綴ってしまった。
ネパールから帰国する頃にはシーズンはかなり深まり、体と指皮が戻ってくる頃には山のシーズンはほとんど終わっていた。
やりたかった岩のいくつかはトライする間もなく雪の下に埋もれてしまったため、寒さがまだマシな岩場で新しいプロジェクトに着手した。
なかなか歯ごたえのあるいいプロジェクトだ。今年は探し回ったお陰で、やりがいのあるプロジェクトを何本か見つける事ができた。
年が明けて、雪が溶けたらまたトライしたい。