Tomorrow Land

 12/28

12月の後半に流行り病に侵された。


ここまで罹らずにこられていたこともあり「このまま一度も罹らずに逃げ切りたい」と思っていたのだけど現実は甘くない。


鹿児島遠征は中止になり、心も体も消耗することになったが、このまま年末を棒にふるのもシャクだったので、4日間一人で四国に行くことにした。




28日の早朝に抗原検査で陰性を確認し、6時間かけて西条へ。こんな状況でも遠征は気持ちが高ぶる。


目標はtomorrow land。以前指男さんと遠征したときに見学だけして、いつか登りたいとずっと思っていた課題だ。


巨大なルーフカンテに見事にホールドが繋がっている。


当時はスタンドしか登られていなかったけど、その後指男さんがSDも初登した。多分五段のどこかなのだと思う。





流石に病み上がりだし、クライミング自体も10日ぶりくらいなので、マット一枚だけ持って軽く登りに行くことに。


周辺の簡単な課題で体を慣らし、久しぶりのクライミングを楽しむも、やはり課題を目の前にするとトライしたくなってしまうのがクライマーの性というもの。


マット一枚なのでスタンドの核心だけトライ。大きなムーブで左手の掛かりのいいカチを取って、そこから次のガバまでの二手。


カチ取りは問題なくできたものの、そこから全く動けない。両手が伸び切った状態にあるのに、次のガバはクロスで取る位置にある。足はいい位置にない。クロスキャンパか?


流石にマット一枚でやる勇気はなかったので早々に諦めて退散した。




12/29

車と岩を往復してマット三枚体制で挑む。


前日と同じムーブで挑み、勇気を出してクロスキャンパを繰り出すも、止まるどころか高速タッチするのが精一杯。


これは流石に現実的でないということで他のムーブを探る。どうも左手でカチを取ってしまうと手詰まりになるよなので、右手で取りに行くムーブを探るとこれがビンゴ。際どいもののフックが決まるポイントを見つけて一気にムーブが解決した。


今度はガバから先のパート。指男さんは左上のガバを目指してダイナミックに登っていったらしいけど、ガバを取りそこねると奈落の底に落ちてゆくので却下。一人でこのライン取りとムーブを選択するのは驚異的と言わざるを得ない。


僕はカンテをそのまま直登するラインに活路を見出した。手数は多いけどそこまで難しくはないし、落ちても最悪後ろの岩に背中を打つだけで済むはず。


上のムーブが完成したらあとは繋げて登る勇気だけ。下の核心は二回で突破し、そのまま上部もこなして登りきった。


まだSDが残っているけど、スタンドだけで大満足。また往復してマットを担ぎ上げ、午後は奥吉野でプロジェクトを掃除して過ごした。



12/30

奥吉野のプロジェクトをやりに行くつもりだったけど、急遽タカタが参戦することになり、行き先をtomorrow landに変更。


またまた往復してマットを運搬し、マット六枚体制で挑む。


マットが増えたのをいいことに再びクロスキャンパムーブに挑戦するも、やはり止まることはなかった。後日指男さんにムーブを聞いたところ、どうもキャンパはしていないらしい。さすがの指男さんもあのスーパーアクロバティックムーブは選択しないか。。。


SDパートのムーブを少々詰めてから繋げてトライ。


あわよくば完登。。。と意気込んだものの、下部での凡ミスが続き全く繋がらなかった。流石に体のコンディションが心に着いてきていなかったように思う。


流行り病に侵されている間にプニプニに戻ってしまった指皮も痛み、後半はひたすら下部で落ち続ける人になっていた。悲しい。。。


とは言え岩で強いクライマーとセッションするのは本当に楽しい。年末にいい時間を過ごすことができて、それだけでも四国まで来てよかったと思えた。


タカタはいい感じでムーブを作るも、核心のガバへのランジで振られ落ちして見事にマット外まで飛んでいった。痛そう。。。


互いにリベンジを誓い、岩の前をあとにした。



12/31

昼には出発する必要があったので、近場でいい感じの強度の課題を。あわよくば指皮にも優しいのがいい。ということで西之川の柊 三段をやりに行く。


しかし、実際に見るまで全く知らなかったのだが、ホールドがめちゃくちゃ尖ったカチだった。


課題選びを完全に間違えた。


ただ、転進先も特に思い浮かばなかったので、指の痛みに泣きそうになりながらもなんとか意地で登り、ツアーを締めくくった。




2/4

親が「四国に行きたい」というので週末弾丸で西条へ。


タカタにも声をかけようかと思ったが、よく考えたら彼にはBJCという重要な用事があった。


早朝に岐阜の家を出発し、昼前には岩場に到着。交代で運転できると本当に楽だ。


前回に比べると割りと温かいし、体調もいい。ムーブも楽にこなせる。


更に岩場でBJCの予選ライブも見れるので、気持ちも高まる。


というわけで意気込んでつなげるも、中々核心が繋がらない。そこまでヨレる訳では無いのだけど、少し体が落ちるとフックの掛かりが如実に悪くなる。


四回くらい連続で核心で落とされ、「流石にこれは考え直す必要がある」と思いもう一度ムーブを探ることに。


フックのリスクを取らないとかなり強度が上がるのだけど、むしろその方が力を集中できるのでは?ということでムーブを変更した。


これが良かったのか二回目のトライでギリギリ核心をこなすことができた。


結構長いので上部で腕が張ってきて危なかったけど気合で押し切ってトップアウト。なんとか初日に決めきる事ができた。


ずっと登りたいと思っていた課題だったので、喜びもひとしおだった。


思えば親の前で難しい岩を登るのは遠山のヘリックス以来かもしれない。







その後

2/5

前日頑張りすぎたので体がバキバキだったけど、せっかくなので奥吉野のプロジェクトをやりに行った。


随分前に上部のランジパートを解決してあったので、主に下部の核心の解決に取り組んだ。


下部はホールドが沢山ある割にどうにも組み合わせが悪く、ゴリ押しできるかと思えばそうでもなく、結局非常に変なムーブに帰着した。これもtomorrow landみたいにもっといいムーブが出るのだろうか。


結局あと一手のところが解決できず。最後にはスッポ抜けて場外に吹っ飛び、肝を冷やして帰ってきた。


上部のランジで落ちると肝を冷やすどころでは済まないので、覚悟を決めてからリベンジしたい。